Introduction:
四十という数字を裏切る艶は、昼の光でいっそう際立つ。白く開いた空、影の逃げ場のない屋上。彼女は‘若さ’ではなく‘秘密’を纏い、彼は境界線に触れる嗜好を、静かに差し出す。正午に近い太陽が、肌の起伏を容赦なく照らす。向かいの窓、遠くの足音...見られているかもしれないという想像が、鼓動を早める。風に揺れる布、手元に残る金属の冷たさ。ナースの白は清潔であるがゆえに、背徳を鮮明にする。彼は車いすに身を預け、患者として徹する。治療の名を借りた所作は丁寧で、間は長い。「まだ」という合図が、感覚を研ぎ澄ます。密室へ移る前の数分が、いちばん危うい。そのとき。扉の向こうで鍵の音。足音が一段、二段。誰かが来る。会話が近づき、影が動く。二人は息を潜め、距離を詰める。想像だけで、鼓動は暴れ出す。去ったあとも、緊張は解けない。水音の記憶、結び目の緊張。支配でも強要でもない。合意のうえで演じるナース×車椅子の患者という役割が、昼の光の下で、理性を遅らせる。光が去ったあとも、影は体内に残る。そして感覚が先に走る...男のあそこは、折れない意思を得たかのように固くなった。そして女は呼吸が乱れ、吐息が熱を帯びる。…その刹那を、あなたの目で確かめてほしい。やがて二人は、仕方なく場所を変える。白昼の緊張を肌に残したまま、ホテルの扉が静かに閉じる。外の光は遮られ、代わりに湯気が立ちのぼる。シャワーの水音が、さきほどまでの鼓動を洗い流す。彼女の背中に沿って走る水は、なだらかな曲線をなぞり、肩から腰へ、柔らかな起伏を確かめるように落ちていく。汗と湯が混じり合い、肌は艶を帯びた陶器のように光る。触れれば、温度が指先に残る・・昼の緊張は、ここでゆっくり溶けていく。水を止めても、湿度は去らない。タオルの摩擦、吐息の近さ。距離が縮まり、言葉は少なくなる。役割は外され、しかし記憶は消えない。そして、二人はエロスと化した。次第に女は目を伏せ、喉の奥でほどける声を逃がした。急がず、確かめ合うように。曲線は影をつくり、肌は再び熱を帯びる。昼の光で刻まれた背徳は、夜の静けさに抱かれ、理性は遅れ、感覚だけが先に進む。扉の外では何も起きない。だが体内には、あの屋上の影が、まだ残っている。また、女の唇から、細い息がこぼれ落ちた。SEX三昧。